私たちは現在、デジタル時代の「co-(共/協)」の時を生きており、協調、協力、共生、協働を意味するコーディネーティング、コーポレーティング、コリビング、コワーキングなどの言葉が使われています。例えば、共有経済(シェアリングエコノミー)は、従来の商品やサービスの消費の仕方だけでなく、私たちの仕事や生活のあり方も変えつつあります。

スペース、人とのつながり方、賃貸契約の柔軟性、多目的なワークプレイスへのアクセスの利便性などの理由から、新しい仕事に携わる人々はコワーキング(デスク、ミーティングルーム、キッチンエリア、カフェ、イベントスペース)を選択しています。「co-(共/協)」のデジタル時代において、一個人が本当に必要としているのは、ビジネスの短期・長期的な成長を支援できる他者とコワーカーのみなのです。

1)労働環境の改善

スタートアップが趣味レベルから本物のビジネスへと成長すると、自宅の狭い生活スペースはもはや完璧なオフィスとはならず、また潜在的な顧客と出会うこともできません。コワーキングスペースでは、似たようなビジネスの境遇にあるITワーカーたちに囲まれた、理想的なオフィスで仕事が捗ります。

従業員チームにとって十分なスペースがあり、会議室、無料WIFIも利用できるとなお良いでしょう。別の言い方をするならば、ビジネスとプライベートを切り離した、理想的なロケーションに移転することで、起業家はキャリアをスタートできるのです。

2)コストの削減

多くの企業にとって、自社のオフィスを確保するためのコストと労力は、起業当初に負うリスクと義務としては大きすぎます。そこで、スタートアップのオフィスとして、コワーキングスペースを選べば、コストとリスクを下げることができるでしょう。

コワーキングスペースの料金には、オフィスやデスクのレンタル料に加え、光熱費、インターネット料金、清掃費、維持費などが含まれています。さらに、最新鋭のテクノロジー、会議室、カフェテリア、プロジェクタ、エアコン、デジタル/テックビジネスに最適なイベントスペースを完備しているところもあるほどです。そして、コワーキングスペースを利用する最大の魅力は、サービスやインフラの管理について考えることなく、自分の仕事とビジネスに専念できるという点ですね。

3)コミュニティ

1990年代中頃に誕生した初期のコワーキングスペースは、”コミュニティ”をコンセプトとしていました。初期のコワーキングスペースのひとつとみなされている、ドイツ・ベルリンにある「C-Base」は、(コンピュータとテクノロジーを中心とした)コミュニティを1カ所に集め、相乗効果を生むことを目標とした組織としてスタートしました。オープン以来、その在り方はそれほど変わっていません。

デジタルビジネスにおいては、協力関係を築き、経験を交換し、お互いの成長を助け合うために、似たもの同士が集まることが重要です。コワーキングスペースのコミュニティは通常、多くの企業や分野のデジタルとテクノロジーの専門家で形成されているため、良い刺激をお互いがもらえるのです。

4)相乗効果とコラボレーション

有益なネットワークを構築するためには、自分と同じ関心を持つ人に囲まれていることが重要であることは、先に述べたとおりです。コミュニティのメンバーと普段から場を共有することで、ビジネスにおいての相乗効果だけでなく、プライベートでの繋がりも生まれるかもしれません。家やカフェで、一人で仕事をするよりも、きっと毎日がより楽しくなることでしょう!